なぜ今、英文法が必要なのか。

 こんにちは。東進フジグラン丸亀校の村上です。

 8月に入り、夏休みもここからが本番、と言いたいところですが、東進生の皆さんが見据えるのは8/20(日)共通テスト本番レベル模試ですよ!まだ習っていない科目の多い1,2年生は、とにかく英語を完成させてから受験しましょう!8/16(水)を一つの目標として、英単語、英熟語、英文法の高速マスターを仕上げてくださいね。

 ところで、英文法って、何のために勉強しているのでしょうか。センター試験から共通テストに変わったことで、英語は読解問題が中心となり、文法を直接問われる問題はなくなりました。人によっては、入試の最後まで英文法の問題を解かずに終わる人もいるかもしれません。(まだ直接聞かれたことはないですが、)英文法の勉強って本当に必要なの?と聞かれたら、私は迷わず「必要です!」と答えます。今回はそんなお話です。

 わたしは 腕時計を ○○ 。

さて、○○に入る言葉は何でしょう?

「持っている」、「付ける」、「買う」、他にも候補がいろいろあって、とてもひとつになんか決められません。

ですが、ここに「煮る」、「焼く」、「食べる」、などの言葉は入りますか?絶対入りませんね。

なぜなら、「腕時計を」という目的語を見たときに、無意識に候補から外しているからです。

では、「大きい」、「明るい」、「勤勉だ」などの言葉は入りますか?これも入りそうにないですね。これは、前の文節から、○○に入る言葉は動詞であることが予測できるからです。

そう考えると、膨大な量の単語に対して、この○○に入る言葉の候補は決して多くないことがわかります。

 私たちが日本語の文章を読むとき、前の単語から後ろの単語へと順に流れるように理解しているかといえば、そうではありません。実際は文節ごと、あるいはもっと大きな「まとまり」ごとに理解しています。さらには、現在目に入っている文節から、次の文節をある程度「予測」しながら読んでいるのです。

 わたしは 腕時計を 大きい。

などと書かれた際に感じる違和感は、「予測したもの違う」という感覚に近いと思われます。長い文章を読んでいると、意外に思ったり、違和感を抱いたりした部分は読み返したり、読むのに時間がかかったりします。逆に言うと、「予測通り」の文章は読むのに時間がかからないのです。

では、英語の文章を読むとき、「予測通り」に読めているでしょうか。

I have a watch.

という文を読むときに、

I(わたしは)have(持っている)a(ひとつの)watch.(腕時計)

このように、ひとつひとつの単語の意味をかみしめながら読んでいませんか?これが悪いとは言いませんが、間違いなく時間がかかります。そして、英文を読むことに時間をかけていると、共通テストをはじめ、大学入試の英語が解けません。

英文を速く読める人は、まとまりで理解しています。

I have(わたしは持っている。→何を?)a watch.(ひとつの腕時計を)

このように、意味のまとまりで読むことと、次に来る単語を予測しながら読むことが重要です。とはいえ、いちいち本当に予測しながら読んでいたらそれこそ時間がかかります。次の単語に対して身構える、といったイメージでかまいません。

ここで必要になるのが文法です。I have + Oといえば第3文型(SVO)ですね。これを念頭に置くと、I have を見た時点で、次に来る単語は名詞であることが予測できます。(実際は現在完了のhave、使役動詞のhaveなど、haveにはもっと候補がありますが。)この予測が無意識にできるようになると、みなさんにとって、<I have a watch.>という英文は、極めて自然に理解できる、時間のかからない文になります。

 本来、このような読み方は理屈ではなく経験によって習得するものかもしれません。ですが、英文にふれる機会の圧倒的に少ない日本の高校生が英語の読み方をマスターするためには、文法の学習が非常に大きな役割を果たします。(特に5文型は本当に大事です!)

 そんなわけで、一部からは「なかなか合格できない」「苦行」などと、大変好評な高速マスター英文法も、この夏休みにみんなで張り切って進めていきましょう!

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