共通テスト 数学文章題のまさかの弊害

 こんにちは。東進フジグラン丸亀校の村上です。

 いよいよ夏休みが始まりますね。夏といえば、受験の天王山です!受験生の皆さん、人生で一番勉強する夏休みのために、しっかりと計画を立ててくださいね!8月の共通テスト本番レベル模試で圧倒的な自己ベストの点数がとれるように、限られた時間を有効に活用しましょう!

 さて、そんなわけで、今回は共通テスト数学の話です。共通テスト数学で特に受験生を悩ませている問題が、「日常生活を簡易モデルとして考察する」問題です。教科書ではまず見かけないような文章題で、なおかつ問題文も長いため、これを嫌っている高校生を本当によく見かけます。ただ、私個人としては、数学を身近に感じさせる工夫が凝らされたこの出題傾向はとても良いものだと思っています。

 例えば、先月行われた全国統一高校生テスト数学ⅠAの2次関数の問題は、「うどん1杯の値段と1日の利益」を題材にした問題でしたが、最初に一般化された式の変形さえできれば、あとは文字に代入していけば解くことができ、なおかつ、生徒にとっては、「日常生活に関する現象はこうやって一般化できるのか!」という発見のある、非常に良い問題でした。しかも今回の題材はなんとうどん屋さん!香川県丸亀市に校舎を構える我々としては、あまりにも身近な出題で、「香川県民にとっては有利になるかもしれないなあ」などと考えておりました。

 しかし、私はひとりの生徒に言われて大変ショックを受けました。「このうどん、高すぎるやろ!」と。

 そう、解答として導き出されるうどんの値段が、香川県民である私たちからするとあまりにも高いのです。香川県民が、かけうどん1杯に「支払ってもよい」という値段の上限は平均で352円と言われています(2023.10.21朝日新聞デジタルより) 。私も学生時代はよく1杯280円のうどんを食べて生活していたものです。これに対し、今回の設問で出てきたうどん屋さんは、2つの店舗の利益が最大となる値段が、なんと1杯550円!高い! ・・・まあ、全国模試なので、当然、価格は東京基準。むしろ全国的にはこちらが普通なんですけどね。

 ここから先は半分冗談ですけれども、今回の模試において、香川県の高校生の中には、「1杯の値段が高すぎる!計算を間違ったかもしれない!」と、検算に余計な時間を費やした人が一定数いるのではないかと思うのです。つまり、今回の2次関数の問題は、香川県民だけが違和感を抱いてしまう、「香川県民不利問題」だったのです!

 大学入試センター様、くれぐれも入試問題で県民格差を出さないように、公平な問題の作成をお願いします!(繰り返しますが、これは冗談です)

 それでは皆さん、次の共通テスト本番レベル模試に向けて、しっかりと準備をしていきましょう。夏休み中も週間予定表を忘れずに提出してくださいね。

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